オガタマノキの育て方

霊招な樹木

モクレン科 「お」からはじまる植物 花木・庭木

オガタマノキ
科名
モクレン科
学名
Michelia compressa
(= Magnolia compressa)
別名
トキワコブシ
原産地
日本 台湾
大きさ
25m
主な開花期
2月~4月
耐寒性
ややよわい
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

〔〕内は学名、M.はMicheliaの略

モクレンに近い仲間で、本州の千葉南部より西、四国、九州、南西諸島から台湾にかけて分布する常緑樹です。比較的温暖な気候の山野に自生し、低木になると高さ25mに達します。街中では神社の境内や公園でときおり見られます。

2月の終わりから4月にかけて、香りの良い白い花を咲かせます。花の大きさは3cmほどで付け根のあたりが紫色帯びます。枝先に1輪ずつ付き、ややまばらなので、咲いていても気づかないこともあります。特に大木になると遥か頭上の枝に花を付けて、さらに葉っぱの影に隠れるのでわかりにくいです。 花後はぼこぼこした果実がなり、秋に熟すと裂け目が入り、中から赤い種子が顔を出します。葉っぱは深い緑色で光沢があり、長さは10cm~15cmほどで、フチがゆるく波打ちます。

日本の気候に合った樹木で、庭木にできないこともないですが、大きさを考えると一般向きではないです。

近い仲間のカラタネオガタマ〔M. figo〕は樹高も低めでまとまりがよく、庭木に適しています。

名前の由来

オガタマは招霊(おきたま)が訛ったもので、枝葉が神事に利用されたのが由来とされます。また「香り」という意味の「オカ」と、種子の形が球状=「タマ」を合わせた「オカタマ」を語源とする説もあります。「香り」は花の香りのことでしょう。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 5月下~7月上
剪定 4月~5月上

日常の手入れ

不要な枝を切り落とす間引き剪定が基本ですが、放任でも樹形はまとまるので、無理に切る必要はありません。適期は花後すぐです。枝は必ず枝分かれしている付け根の部分から切り落とします。細いふところ枝(木の内側に向かって伸びる枝)は自然に枯れやすいので、見つけたら切り落とします。

日当たり・置き場所

暖地性の常緑樹ですがある程度耐寒性があり、場所を選べば東北南部まで植栽可能です。日陰にも耐えますが、日照不足になると枝の茂り方が粗くなり、花つきも極端に悪くなります。

冬の北風が苦手で、強い寒風が当たると落葉し、枝が寒さにさらされて枝枯れを起こすことがあります。

肥料

通常必要ありません。やせ地に植えている場合は2月頃に油かすを少量施します。

かかりやすい病害虫

風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。

植え付けと用土

有機質のたっぷり入った肥沃で、やや粘土質の湿潤な土壌を好みます。さほど土質にこだわらなくても育ちますが、極端に乾燥する場所はできれば避けましょう。また、やせ地では花つきが悪くなります。

植え付けの適期は初夏~梅雨明けまでで、春に伸びた枝がしっかりと固まった頃に行います。非常に根付きにくい樹木で、植え付ける際はそれなりに枝葉を切り詰めて、水分の蒸発を抑えないといけません。また、作業時は根を傷めないよう丁寧に扱います。

ふやし方

タネをまいて増やします。秋に赤く色づいた種子を採り、乾かさないように貯蔵しておき翌春にまきます。

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