- 科名
- バラ科
- 学名
- Fragaria ×ananassa
- 別名
- オランダイチゴ
- 原産地
- 園芸品種
- 大きさ
- 高さ20cm~40cm
- 収穫期
- 4月~6月
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名、F.はFragariaの略
イチゴの仲間は学名でフラガリア属と呼び、北半球の温帯におよそ10数種の野生種が知られています。日本にもエゾヘビイチゴ〔F. vesca〕やノウゴイチゴ〔F. inumae〕など数種が知られています。
普段私たちが食べているイチゴは、アメリカ東部原産のバージニアナ種〔F. verginiana〕と南北アメリカ大陸に広く分布するチロエンシス種〔F. chiloensis〕が自然に掛け合わさってできた雑種です。アメリカ大陸発見後、両種がヨーロッパに入ってきて大きく広がり、18世紀のオランダで生まれました。学名でフラガリア・アナナッサと呼ばれます。アナナッサは「パイナップルの」という意味です。
ヨーロッパで広く栽培され改良が進み、19世紀に入ると野生種のふるさとであるアメリカで更に育種がされ、現在見られる様々な品種が生まれることになります。日本には江戸時代の末に入ってきました。単にイチゴと呼ぶと本種を指すのが一般的ですが、正式な和名はオランダイチゴと言います。
日本への普及
日本では「福羽」と言う品種の誕生が普及のきっかけとなりました。「福羽」は新宿御苑で福羽逸人により育成された品種で、フランスから取り寄せた種子が元となっています。明治32年頃につくられました。早生で果実の形が大きくて整っているなどの特長があります。長年にわたって愛され、昭和40年頃まで主要品種のひとつとして広く栽培されました。
戦後には「ダナー」「宝交早生」「女峰」などの品種が多く栽培されるようになりました。現在では各地に特長のある品種ができ、営利栽培向きとしては減少しましたが、それら昔の品種も家庭菜園向きの苗として広く出回っています。
姿・形・性質
毎年花を咲かせる多年草です。茎はクラウンと呼ばれ、地際からほとんど上には伸びません。クラウンの中心から葉をだします。葉っぱには長い軸があり、先端は3枚の小葉からなります。春になると白い花を咲かせて数個の果実を房状に付けます。果実の実る頃、葉の付け根からランナーと呼ばれる茎が這うように伸び、その先端に子株ができます。
イチゴのつぶつぶは、ひとつひとつが実です。果肉の部分は花托と呼ばれる花を下から支える部分が肥大したものです。本来の実(つぶつぶ)の中は1粒の種子が入っていますが、周りの部分(子房)が他の果物のように肥大しません。このような実を痩果(そうか)と言います。つぶつぶは花托の部分を肥大させる物質を出しており、つぶつぶを取り去ってしまうと花托は大きくなりません。
関連する植物
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ワイルドストロベリー
バラ科 難易度★★☆☆☆
現在広く食べられているイチゴのルーツとなる品種「オランダイチゴ」が出てくるまでイチゴと言えばこのワイルドストロベリーが広く栽培されていました。