ユスラウメの育て方
バラ科 学名:Prunus tomentosa 用途 鉢植え 露地植え 中国原産、冬に落葉する高さ1m-3mの低木で、寒さに強くて丈夫、比較的場所をとらず、熟した果実はおいしく食べられるので庭木や果樹として広く利用されます。赤実種と白実種の2種が知られますが、細かい園芸品種などはありません |
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花芽分化 |
開花期 |
果実熟期 |
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植え付け |
剪定 |
肥料(地植え) |
肥料(鉢植え) |
季節・日常の手入れ ポイント
【間引き剪定】 樹を元気に育てるためおこなう 適期:落葉期
混みあったり重なり合った箇所の枝や直立した枝を付け根から切り落とす「間引き剪定」が基本です。これらの枝は日を遮る枝で、樹の内側(ふところ)に日陰を作ってしまいます。ふところが日陰になると枝が充分生長せず枯れてしまいます。間引き剪定をすることにより、樹のふところまで日が射し込むようになり丈夫な枝が育ちます。
寒冷地では小枝が枯れやすいので開花直前の3月頃が適期です。
【整枝】 樹の姿を整えるためにおこなう 適期:落葉期
樹形を乱すような伸びすぎた枝は1/3ほどに切り詰めます。また、枯れた枝があれば付け根から取り除きます。地際から勢いよく伸びる枝(ひこばえ)も付け根から切り落とします。
【苗木の仕立て方】枝分かれしていない棒状の苗木を仕立てる 適期:落葉期
苗木から付くテイク場合苗木を植え付けたらまず、地面から60cm前後の位置で枝を切ります。その後、新しく伸びた枝の先端を切り詰めてさらに枝を出させて樹形を作っていきます。
【実付きをよくする】
実付きはよいので特に何もしません。実が付きすぎると樹の生長する勢いが衰え翌年に響くので、実付きの多すぎる枝は5月頃に、適宜実を摘み取り実付きを調整します。
日当たり・置き場所
日当たりの良い環境を好みます。日当たりが悪いと実付きが極端に少なくなります。暑さ、寒さに強く日本全国で植栽可能です。
水やり・肥料
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは根付いてしまえば特に必要ありません。乾燥には強い方ですが、逆に多湿を嫌うので水のやり過ぎに気をつけます。
肥料はさほどたくさん要りません。年1回、2月-3月に化成肥料や堆肥を施します。肥料のチッソ分が多いと枝葉はよく茂りますが実付きが悪くなります。リン酸やカリが多めの肥料を施すのがコツです。鉢植えのものはさらに夏の終わりにも肥料を施します。
用土
水はけの良い用土が適しています。地植えは植える前に腐葉土や堆肥を多めに混ぜ込んでおきます。鉢植えにする場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた用土を用います。
植え替え・植え付け
植え付けは落葉期の2月-3月に行います。地植えのものは植え付け後支柱を立てて、根付くまで乾燥しないように株元をワラや腐葉土で覆います。
ふやし方
【とり木】 4月に行い秋に切り離す
とり木は株元から勢いよく伸びる枝(ひこばえ)を利用します。株元に土を山高に盛っておくとひこばえから根が出て来ますのでそれを切り離して植え付けます。
【さし木(緑枝の密閉挿し)】 7月が適期
さし木の適期は7月です。春に伸びた新しい枝を2~3節で切って、数時間水に挿して吸水させます。上部の葉2枚を残して後は取り除き、赤玉土を入れた鉢に挿します。ぐらつかないように葉の付いている真下までしっかりと深く挿しましょう。水をたっぷりやった後、ビニール袋をかぶせて湿度を保ち、明るい日陰で管理すると1ヶ月~1ヶ月半くらいで根を出して生長を始めます。
【タネまき】 採ってすぐか翌春
タネまきは6月頃に熟した果実をとって果肉を良く洗い流してすぐにまきます。すぐにまけない場合は湿らせた砂などに貯蔵しておき、翌春にまきます。いずれにしてもタネを乾かさないことが大切です。乾かすと発芽率が極端に落ちます。
かかりやすい病害虫
あまり見られませんが、カイガラムシが付くことがあります。見つけ次第ブラシなどで木を傷つけないようにこすり落とします。
収穫・利用
熟した果実をつぶさないよう手で摘み取り収穫します。皮が薄くて果肉がやわらかく生のままでは足が早いので、収穫後は早めに食べるか加工します。特に表面の鮮やかな色は変色しやすいです。加工は果実酒や、適度な酸味を活かしてジャムなどに。赤実種で作ると果実酒はピンク色、ジャムは鮮やかな赤になり、美しいです。
まとめ
日当たりの良い場所で育てる
過湿を嫌うので、水のやり過ぎに注意
樹の内側までよく日が射し込むように間引き剪定を行う
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