スズムシソウの育て方
育て方はこのページの下
- 科名
- ラン科
- 学名
- Liparis makinoana
- 用途など
- 鉢植え
- 開花期
- 5月
- 大きさ
- 高さ15cm~30cm
- 耐寒性
- ふつう(霜・凍結に注意)
- 難易度
- ★★★★★(むずかしい)
育て方
- ・新芽が腐りやすい
- ・真夏の高温多湿を避ける
- ・適した環境になるよう置き場所を工夫する
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月中~下 |
---|---|
肥料 | 4月~9月 |
日常の手入れ
栽培難易度は高め
『春の芽出しに失敗することがある』『湿度の高い環境を好む割に新芽や株元に水が溜まると腐る「芽腐れ」を起こしやすい』、かといって『湿度が低いと葉が枯れたり著しく生育が衰える』など栽培難易度は非常に趣味性の高いレベルだといえます。株元に水が溜まらないよう気をつけ、新芽をしっかり育てることが栽培する上での大きなポイントとなります。生育期間中は風通しを良くしてナメクジの食害を防ぐために鉢を適地に吊して管理しても良いでしょう。
生育サイクル
春~秋の生育期と冬の休眠期に分けることができます。春に新芽を伸ばして花を咲かせ、その後ぐんぐん生長して新芽の基部が丸く太り(この肥大した部分をバルブと言います)、秋遅くに葉と根、前年のバルブがすべて枯れ、今年できた緑色のバルブが枯れた葉の軸に包まれた状態で残り休眠に入ります(枯れた根もなくならずに残ります)。
日当たり・置き場所
強い日射しを嫌い、明るい日陰が適しています。具体的には午前中にやわらかい日射しが1-2時間程度射し込み、それ以降は明るい日陰になるような場所が理想的です。強い直射日光に当てると株が傷んで、最悪の場合枯れてしまうこともあるので気をつけましょう。そういう点では南向きの場所よりも北向きの場所のほうが栽培に適しているといえます。
また、空気中の湿度が高い環境を好みますが、風通しが悪く蒸れると株が根元から腐ってくるので、雨の当たる場所は避けた方がよいです。まとめると、空気中の湿度が高くて風通しが良い、明るい日陰がベストの環境です。暑さにも弱いのでできるだけ涼しい場所を選ぶのも大事です。
日当たりの良い場所で遮光して育てる場合は春と秋は40-50%、夏は70-80%の遮光を行います。冬は霜の当たらない場所で管理します。
水やりと肥料
春~秋の生育期は用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。新芽に水が溜まると腐りやすいので、株の上からかけるようなことはせず、株元から静かに与えます。秋に落葉したあとは休眠に入っている状態でほぼ活動しませんので、月1~2回与える程度でかまいません。
肥料は生育期の4月-9月の間、月1回薄めた液体肥料を与えます。
適した土
水ゴケ単用か赤玉土の小粒と日向土(ぼら土)の小粒を同量混ぜたものを用います。
植え替え・植え付け
植え替えは休眠期に行うのが基本です。休眠期の中でも新芽が活動を始める頃-平地・暖地なら3月中旬頃-が最適です。バルブが地上部に出るように浅く植え付けます。深植えは腐るもとなので禁物です。
水ゴケを利用する場合、水はけを考えて中央の部分を盛り上げてそこにバルブを植え付けます。新しい根が出るまでは枯れた古い根でバルブを支えることになるのですが、根の伸びが存外に遅く水ゴケ植えの場合は特にぐらぐらしやすいので鉢を動かす場合は気をつけます。
植え替えは基本的に2-3年に1回でよいですが、水ゴケは傷みやすいので毎年植え替えた方がよいでしょう。
ふやし方
ごくまれに1つ以上バルブをつくることがあるので株分けでふやします。
かかりやすい病害虫
ナメクジやカタツムリが新芽をかじるので、見つけたら駆除します。