セッコクの育て方
育て方はこのページの下
- 科名
- ラン科
- 学名
- Dendrobium moniliforme
- 用途など
- 鉢植え 板付け
- 開花期
- 3月~5月
- 大きさ
- 高さ10cm~40cm
- 耐寒性
- つよいほう(霜・寒風に注意)
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
育て方
- ・水やりは年間を通して控えめに
- ・肥料は花後に少量与えます
- ・寒さには強いが霜には注意
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月~4月 / 9月中~10月中 |
---|---|
肥料 | 6月~7月 |
日常の手入れ
花後の処理
セッコクでは茎(バルブ)の部分を「矢」と呼ぶことが多いので、以下の説明では呼び方を「矢」に統一します。
花がしおれたら、花茎の付け根から切り落とします。矢の部分は次の新芽が生長するのに大切なので絶対切り落としてはいけません。ただし、数年経過して枯れてしまった矢は取り除いてもかまいません。性質など共通することが多いので、デンドロビウム・ノビル系の育て方も参照してください。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しのよい場所でよく育ちます。春から秋は屋外で十分に風と日に当てたほうがよいです。風通しのよい樹木の下や軒下につり下げて栽培できれば理想的です。
夏の強い日射しに当てると、葉っぱが黄ばんでくることがあります。これは葉が焼けかけている可能性があるので、明るい日陰に移動して様子を見ます。葉焼けがひどくなると、名前通り葉が焼けて部分的に茶色く枯れてしまいます。葉に斑のはいる品種はとりわけ直射日光に弱いので気を遣いましょう。
ランの仲間にしては寒さには強く特に保温の必要はありませんが、霜や寒風には注意して冬は室内や軒下、ベランダなどに置きます。
水やりと肥料
セッコクは元々乾燥に強く、逆に多湿には弱いので年間を通して水やりは控えめに乾燥気味で育てます。水ゴケなどの植え込み材料が乾いてから水をやるようにします。多少乾燥させても枯れることはありません。冬は生長が止まっているので、水やりの回数はぐっと控えます。
肥料は与えなくても育ちますが、新芽の伸びてくる頃に薄めの液体肥料を数回与えると充実した株に育ちます。秋以降は矢が肥って成熟し、花芽を作り始めます。このとき矢の中に栄養が残っていると花芽ができにくいので、夏以降の肥料は避けます。
適した土
水ゴケが手軽で扱いやすいです。ヘゴ板や樹木に貼り付けて栽培する方法もあります。
植え替え・植え付け
ヘゴ板や樹木に貼り付けて育てているものは特に植え替える必要はありません。鉢植えの場合もあまりこまめに植え替える必要はありませんが、水ゴケで植えている場合は経年の変化で水ゴケが傷んできますので2~3年に1回、新しい水ゴケを使って植え替えます。
鉢は通気性のよい素焼き鉢を使います。大きさは株と比較してやや小さめのものを選ぶと過湿にならずによいでしょう。通気性をさらによくするために鉢底の穴を広げてたり、筒状にしたネットや発泡スチロール、木炭などを中心に入れて使うこともあります。
ふやし方
株分け、高芽とり、矢伏せでふやすことができます。
株分け
大きくなった株を株元からいくつかに分ける方法です。しかし、あまり細かく分けすぎると翌年の花が付きにくくなることがあります。株分けは植え替えを兼ねてやる作業ですので、適期は植え替えと同時期になります。
高芽とり
矢の途中から発生する「高芽」と呼ばれる芽を取り外して植え付ける方法です。高芽は日当たりが悪い、多湿でじめじめしているなどの生育にとっては悪条件となるときに花芽の代わりに発生することが多い。要するに、普通に育てっていれば花芽になる部分です。高芽は根が出ているのを確認して矢から取り外して植え付けます。
矢伏せ
矢を付け根から切り取り湿らせた水ごけの上に横向きに埋めて、人為的に高芽を発生させる方法です。伏せた矢は芽が発生するまで湿り気味に管理します。後は高芽とりと同じです。矢伏せの適期は4~5月です。
タネから育てることもできるのですが、一般的ではありませんのでここでは紹介しません。
かかりやすい病害虫
病虫害は少ない方ですが、ハダニやカイガラムシ・アブラムシが発生することがあります。
葉がかすり模様のように黄変して生育に支障を来すウイルス病もあります。ウイルス病は他のセッコクに感染する可能性がある上に根本的な治療の方法がありませんので、残念ですが焼却処理などで処分するしかありません。ウイルス病は害虫の発生によって引き起こされることが多いので、春から秋にかけては特に害虫が付かないように薬剤散布するなどの予防が大切です。
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主に夏の鉢物として出回ります。花は白でバルブ(茎)に黒い細かい毛が生えます。