庭木・香草など用途が広い
ローズマリー
科名:シソ科学名:Rosmarinus officinalis別名:マンネンロウ原産地:地中海沿岸樹高:20cm-2m開花期:2月~10月栽培難易度:
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ローズマリーとは
花 |
クリーピングタイプ |
地中海沿岸に分布する常緑性の低木です。強い芳香があってハーブとして利用されるほか、低い位置でよく茂って姿がある程度まとまるので、庭木や境界垣、花壇の縁取りなどにも広く利用されます。日本でも歩道に沿った花壇などによく植えられています。乾燥や日射しに強くて病害虫も少ないので、公共の場にも利用しやすいのでしょう。
立性と這性の2タイプの分けられます。立性は枝が上に伸びて丈が高くなるタイプで生け垣などに適しています。這性はクリーピングタイプとも呼ばれ、枝は長くなると地面を這うように伸びます。高さのある場所から下に垂らすとグリーンのタペストリーのようで素敵です。
葉っぱは3cm程の短い棒状で濃緑色、表面には光沢があります。冬から秋にかけて葉の付け根に淡紫色の花を咲かせます。満開時は枝がたくさんの花で彩られます。
葉のフチに黄色い縁取りの入る斑入り種、コンパクトにまとまる品種や濃い紫やピンク色の花を咲かせるものなど、園芸品種も多く知られています。
由来
属名のロースマリヌスはこの植物の古代ラテン名に由来し、「海の露」と言う意味です。細かく言うと、ラテン語のロス(ros:露)とマリヌス(marinus:海の)の2語からなります。これは野生のものが海岸の崖下などで多く見られた(らしい)ところに由来します。英名もこの古代ラテン名を起源とし、「ローズマリー=聖母マリアのバラ」と解釈するのは俗説とされます。聖母に関するローズマリーのお話は多く、それゆえかもしれません。種小名のオフィキナリスは「薬用になる」の意味です。
歴史、人との関わり
人との関わりは非常に古くからあり、古代エジプトでは墓からローズマリーの枝が発見されています。ヨーロッパでは生活に深く馴染みのある植物で、神話・伝説をはじめ、冠婚葬祭、年中行事、家事料理、人名に至るまで、様々なシーンでその名を見ることができます。料理、薬用、香料、縁起物など、用途の広い植物です。殺菌・抗菌・抗酸化作用があり、精神を休める効果があるとされています。料理では特に肉料理との相性がよいとされます。ハンガリアンウォータ(香水)の材料としても知られています。料理には生の枝葉のほか、乾燥させた葉も用いられます。
日本に入ってきた正確な時期は不明です。19世紀はじめに書かれた書物に「マンネンロウ(迷迭草)」)」の名前で記載されたのが最初とされます。葉から抽出した精油は「迷迭油」と呼ばれ、石けんなどに香料として用いられました。
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