ムクゲの育て方
アオイ科 学名:Hibiscus syriacus 用途 鉢植え 露地植え 夏から秋にかけて次々と花を咲かせる落葉性の花木です。栽培の歴史は古く、実に多彩な園芸品種が存在します。花付きがよく、暑さや寒さにも強い丈夫でつくりやすい花木です |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
花芽形成 |
植え付け |
剪定 |
肥料 |
季節・日常の手入れ ポイント
非常に丈夫な花木で、あまり手間はかかりません。芽吹く力が強く刈り込みにもよく耐えますのでいろいろな形に仕立てることができます。
剪定の適期
剪定(枝を切る作業)は基本的に花芽のない秋~春の落葉期(休眠期)に行います。春に芽が伸び始めてからも作業は可能ですが、その場合は5月中~下旬までに終わらせる様にしましょう。作業時期が遅れると花が咲かなくなります。
基本の剪定
ムクゲは生育期に枝を伸ばして花芽を付けるので適期に作業を行うと「枝を切ったことが原因で花が咲かない」という失敗はほぼありません。また、芽吹く力が強いので刈り込んで形を整えることも可能でどこで枝を切っても問題ありません。ですからあまり基本となる剪定というのはなく、樹形や全体のバランスを考えながら枝を切ることがポイントとなります。放任でもある程度はまとまった樹形になりますので極端な話、大きさを気にしないのであればほとんど剪定をする必要はありません。
小枝をふやすには、その年伸びた枝(花の咲いた枝)を3~4芽残して切り落とせばよいですし、高さを抑えたい場合は全体をばっさりと短めに切ってもかまいません。枝が混みあっている場合は、枝の付け根から切り落として樹の内部までしっかりと日が当たる様にします。
ヤゴの処理
株元からさかんに勢いのある枝(ヤゴ)が伸びてきます。ある程度樹形をキープしたい場合は春~秋にかけてヤゴをこまめに切り落とします。
日当たり・置き場所
日当たりと水はけのよい場所でよく育ちます。明るい日陰でも生長はしますが極端に花付きが悪くなります。
樹の伸びる勢いが強く、一部の品種を除き耐寒性も強いので北海道南部~沖縄まで植栽可能です。
水やり・肥料
地植えは一度根付いてしまえば水やりをする必要はありません。鉢植えは土の表面が乾いていたらたっぷり与えます。夏場は乾きやすいので注意しましょう。
肥料は冬の落葉時期に油かすに3割ほど骨粉を混ぜたものを与え、夏の開花時期には化成肥料を少量施します。ムクゲは生長スピードが速く、肥料を吸う力も強いので必要なら6月頃にも化成肥料を与えます。
用土
水はけがよければ特に土質は選びません。
植え替え・植え付け
植え付け、植え替えは落葉期に行います。一度植え付けてしまうとその後はあまり手間がかかりません。鉢植えの植え替えは春に暖かくなってくる3月頃が適しています。
ふやし方
さし木、タネまきでふやすことができます。
さし木は3月頃まだ新芽が出ていない落葉期に行う「休眠枝ざし」と、初夏と秋、その年伸びた枝を使う「緑枝(りょくし)ざし」があります。いずれも枝を長さ10~15cmに切り用土に挿します。休眠枝ざしは根付きがよく地面に直接挿しておくだけで根が出ることもあります。
タネまきは秋にできたタネを採ってすぐにまく「とりまき」か乾燥しないように保存しておき、翌年の春3月下旬以降にまきます。
かかりやすい病害虫
ハマキムシ アブラムシ ワタノメイガ テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)
性質丈夫な植物で病気の被害はほとんど見られませんが、存外に害虫がつきやすいので注意が必要です。
春~夏にかけて新芽や枝にアブラムシがつきます。また、他のアオイ科の植物同様に夏から秋にかけてハマキムシがよく見られます。ハマキムシは葉を食害する害虫で、葉をつづり合わせてその中で生活します。また、葉を食害するワタノメイガもよく見られる害虫です。いずれも見つけ次第薬剤を散布して駆除します。
木を枯らすまでの被害が出ることは少ないですが、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が幹の内部に入り込み内部を食い荒らすこともあります。
まとめ
剪定は基本的に落葉期に行います
日当たりと水はけがよければ土質はあまり選びません
ハマキムシが発生しやすいので注意しましょう
関連するページ
・ムクゲとは・アオイ科
・花木・庭木