春先球根の超名脇役、群植の存在感は見事
ムスカリ
科名:ユリ(キジカクシ)科学名:Muscari原産地:地中海沿岸-南西アジア草丈:10cm-30cm主な開花期:3月-5月栽培難易度:
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ムスカリとは
地中海沿岸-南西アジアにおよそ40種が分布する球根植物です。水栽培でおなじみのヒヤシンスとは非常近縁の植物です。ムスカリの名前はギリシャ語の「麝香(じゃこう)」に由来し、ある種の花が強い芳香を放つところからきています。英名のグレープヒヤシンスは花姿がブドウの房のように見えるところにちなみます。
秋に球根を植えると春に花を咲かせ、花後に葉が枯れて球根の状態で夏を越します。壺形や長だ円形の花を1本の花茎にたくさん咲かせます。色は青紫、白、黄、黄緑などがあり、斜め下-下向きに付きます。
色々な種類がありますが、「ムスカリ」の代名詞となっているのはムスカリ・アルメニアクムという種で、濃い青紫色の花を穂状に咲かせます。草丈も低く全体的にややおとなしめの植物ですが、群植すると非常に見事です。また、たくさん植えても他の植物を圧倒せず引き立てるので、寄せ植えに適しており、チューリップとの組み合わせは定番です。そのほかにも色々な品種の球根が出回っているので、ミックスして植えてみても楽しいでしょう。
種によって異なりますが、花茎の下の方の花はタネができ(稔性-ねんせい-)、先端ちかくの花はタネができない(不稔性-ふねんせい-)ことが多いです。また、稔性と不稔性のものでは同一種なのに花色が異なることがあります。
種類
ゴールデン・フレグランス |
アルメニアクム〔M. armeniacum〕
ユーゴスラビアからトルコ、カフカース(コーカサス)の主に標高2000m付近に自生します。最も栽培されている種のひとつです。花色は濃い青紫(不稔性花は淡い紫)、園芸品種に八重咲きの「ブルースパイク」、芳香性の「カンタブ」などがあります。「アルメニアクム」は「アルメニアの」の意です。
ボトリオイデス〔M. botryoides〕
ヨーロッパ中南部からカフカースに欠けて分布、ムスカリの中ではやや小型です。花色は青~紫がかった青、表面は白粉を吹いたようになります。和名はルリムスカリ。園芸品種に白花の「アルブム」があります。英名のグレープ・ヒヤシンスは本種に由来します。
コモースム〔M. comosum〕
ヨーロッパ西部からアフリカ北部に分布します。つぼみの色は紫紅青色ですが、開くとオリーブ色になります(不稔性花は紫色)。変種に花が藤色で羽のように変化した「プルーモースム」(和名:ハネムスカリ)があります。
モスカツム〔M. moschatum〕
花は長めの壺形で全体が白、先端の口の部分が褐色になります。強い芳香を放ち、ムスカリ(ギリシア語の麝香にちなむ)の名前は本種に由来します。
マクロカルプム〔M. macrocarpum〕
ギリシア、トルコに分布します。つぼみは紫色で開くと黄色で先端の部分が紫がかった褐色になります。
ラティフォリウム〔M. latifolium〕
やや幅の広い葉っぱを1枚だけ出します。黒みがかった紫色で、花穂はやや長くなります。先端につく花は淡い紫色で、不稔性です。
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