モチノキの育て方
クロガネモチについてはクロガネモチの育て方を参照にしてください。
モチノキ科 学名:Ilex integra 用途 露地植え 日本では古くから親しまれている定番の庭木のひとつです。光沢のある葉と赤く色づく実が美しい(実が成るのは雌株のみ)。樹皮から鳥もちが採れるのでこの名前があります |
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開花期 |
果実鑑賞 |
植え付け |
剪定 |
肥料 |
季節・日常の手入れ ポイント
芽吹く力が強く太い枝からもよく芽を出すので、色々なかたちに仕立てることができます。すでに形がまとまっているものは乱れた樹形を仕立て直すために剪定を行います。作業の適期は春に芽吹いた枝葉がしっかりと固くなる6月-7月、夏から秋に伸びた枝が成長を止める11月以降の年2回が適期です。
仕立て直し
まず、樹形からはみ出した枝を刈り込みばさみで輪郭に沿って刈り込んでアウトラインを整えます。
次にバランスを崩している枝(例えば、周りの枝に比べて太い、間延びしているなど)、幹から直接出ている胴吹き枝、樹の内側に向かって伸びるふところ枝など、不要な枝を付け根から切り取ります。このような枝葉が混みあっている部分を整理して風通しを良くする作業を「枝透かし」といいますが、枝透かしをすることで、病害虫も発生しにくくなります。
丁寧に行う場合は刈り込みを行わず、新しく伸びた枝を2-3葉残して一本ずつ短く切り詰めて、その後枝透かしを行います。
若木を仕立てる
形のできていない若木を元から仕立てる場合は年月のかかる気長な作業になります。若木の内は間延びした枝や胴吹き枝を切り取って軽く整える程度にとどめておき、幹が太くなってきたら枝を間引いて形を作っていきます。あまり剪定を行わないのは枝葉の数が多いほど、木の生長が早く幹が太りやすいからです。
秋に赤く色づく果実が鑑賞したい場合は雌株を選んで植えます。
日当たり・置き場所
ある程度の日陰にも耐え、大気汚染にも強いですが日当たりと水はけのよい肥沃な場所が理想的です。また、土質はあまり選びませんが、やや粘質の土地が最適です。乾燥が厳しいやせ地では育ちません。耐寒性はあまりなく東北南部が植栽可能な限界で、それより北の地方では厳しいです。
水やり・肥料
2月に堆肥か油かすに骨粉を2割程度混ぜたものを株元に軽く施します。
用土
※「日当たり、置き場所」の項を参照
植え替え・植え付け
植え付けの適期は5月-9月ですが、真夏はできれば避けます。植え付ける場所にはあらかじめ腐葉土や堆肥を多めに混ぜておき、やや山高になるように植え付けます。
するかどうかは別として、性質が丈夫なので相当に大きくなった木の移植も可能です。
ふやし方
タネからふやします。
秋に熟した果実を採り、果肉を取り除いて乾かさないように土や砂の中に埋めておき、翌春の4月頃に取り出してまきます。タネを乾燥させると発芽率が極端に落ちるので気をつけましょう。
幼木は耐寒性も弱いので発芽後2-3年は霜よけを行います。庭木として使える大きさになるにはタネをまいてから10年-20年かかります。
かかりやすい病害虫
ハマキムシ カイガラムシ すす病
モチノキは丈夫な樹木ですが、比較的カイガラムシとすす病の被害をうけやすいです。茂りすぎて風通しが悪くなると発生しやすいので、定期的な剪定と薬剤散布で予防します。すす病はカイガラムシの排泄物から発生する病気なので、カイガラムシを駆除することが発生の防止になります。
ハマキムシの主な発生時期は春~秋ですが、その中でも梅雨~夏にかけてが特に被害に遭いやすいです。新葉を2-3枚つづり合わせてその内部に巣喰い、葉を食害します。被害にあった葉は枯れてしまいます。葉っぱごと取り除いて駆除するのが確実ですが、大量発生するとその方法ではキリがないので薬剤を散布します。
まとめ
カイガラムシとすす病に注意
枝を透かして風通しを良くする
実も鑑賞したい場合は雌株を選ぶ
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