ヤサシイエンゲイ

パラシュートのように広がるピンクの苞葉

メディニラ・マグニフィカ

メディニラ・マグニフィカ
科名:ノボタン科
学名:Medinilla magnifica
原産地:フィリピン
主な開花時期:7月-8月
草丈:1m-1.5m
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

〔〕内は学名、M.はMedinillaの略

メディニラ・マグニフィカとは

フィリピン原産の熱帯花木です。高温多湿を好みますが、寒さには弱いので鉢植えにして育てるのが一般的です。

樹高は1m~1.5mほどでよく枝分かれして茂ります。葉っぱは長さ20cmを超す先端の尖ったタマゴ型で、全体は濃緑色です。そこに淡い緑色の葉脈がくっきりと入ります。葉っぱは縁はゆるーく波打つことがあります。また、大きいからか少しだらんと垂れ気味に付きます。

主な開花期は夏ですが、一定の気温が保てれば周年開花するので、植物園の温室では冬にも咲いています。枝の頂点から長い花茎が下向きに伸びます。花は最初ピンク色のおおきな苞(ほう:つぼみを包む葉)に包まれており、その中からブドウの房のように細かく枝分かれした花房が出てきます。花を包んでいた苞はパラシュートのように大きく開きます。花の大きさは径2cmほどで、一房に付き数十輪が咲きます。花びらはピンク色で雄しべの葯の部分が淡い青紫、花糸(雄しべの軸部分)は黄色くなり、小さいながらカラフルです。

属名のメディニラは19世紀初頭にマリアナ諸島の知事をしていたメディニーリャの名前にちなみます。種小名のマグニフィカは「規模の大きい」と言う意味です。これはメディニラの中でも本種が大型の部類に入るために付いたとされます。

その他の種類

メディニラの仲間は熱帯アフリカ、アジアに150種~400種ほどが分布します。マグニフィカ以外にはスペキオーサ〔M. speciosa〕がよく知られています。スペキオーサはジャワ島原産で樹高や1.2mほど、マグニフィカに似ていますが花には苞がつきません。花後にできるピンク色の果実は直径5mmほどの球形でかわいらしく、熟すと黒紫色になります。

面白い種に、花びらが半透明のクラサタがあります。

スペキオーサ
スペキオーサ(花後)

ミリアンタ
ミリアンタ
クラサタ
クラサタ
 

 

育て方

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花
            バー バー        

生育環境
適度な日射しと高温多湿を好み、寒さが苦手です。比較的大きくなる上に、冬は室内に取り込まなければいけないので、栽培するならよく考えます。

手入れ
枝の頂点から花を咲かせるので、枝の数を増やすとそれだけ花がたくさん咲く可能性があります。ある程度長さの伸びた茎は先端を摘んでワキから数コの芽が出てきて結果として枝数が増えます。

日当たり・置き場所
日照不足になると花付きが悪くなるので、よく日に当てて育てます。ただし、真夏は日射しが強すぎて葉が傷むことがあるので、風通しのよい明るい日陰に避難させます。

冬は15℃以上があれば理想的ですが、10℃程度あれば大丈夫です。春から秋は屋外に置き、冬前に室内の日当たりのよい場所に移動させます。

用土
腐葉土などの有機質のたっぷり入った、水はけと水保ちのよい用土が適しています。

ふやし方
さし木、とり木、タネができればタネまき。

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