育て方はこのページの下
- 科名
- アヤメ科
- 学名
- Crocus
- 用途など
- 鉢植え 庭植え 水栽培
- 開花期
- 2月~4月
- 大きさ
- 高さ10cm~20cm
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
育て方
- 一定の低温にあわないと花が咲きにくい
- 花後の世話こそ来年のキーポイントです
- 球根はできるだけ深く植え付けます
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
球根植え付け | 9月下~10月 |
---|---|
球根掘りあげ | 5月下~6月上 |
肥料 | 2月下~5月上 |
日常の手入れ
花が咲き終わってしまうとそこで栽培は終わりのように感じてしまいますが、翌年もきれいな花を咲かせるためには花後の管理こそ大切です。と言っても難しいことや手間のかかる作業はありません。するべきこと、してはいけないことがひとつずつあります。鉢植えにしていて一年で球根を終わらせてしまうこともありますが、元々丈夫な植物ですので性質や生育サイクルを理解して上手に育てると毎年花を楽しむことができます。
環境が合えば地植えでほおっておいても数年は元気に花を咲かせてくれます。 また、咲き終わった花をそのままにしておくと腐りやすいので付け根から摘み取ってしまいましょう。
球根の保管など
葉が茶色く枯れた球根は掘り上げて保管してもよいですし、そのまま土の中で放置しておいてもかまいません。掘り上げた場合はよく土を落として枯れた葉や根を取り除いて球根を掃除して2~3日陰干ししてから通気性のよいネットなどに入れてできるだけ涼しい場所で保管します。土の中に放置しておく場合は枯れた葉を引っこ抜くだけでかまいませんが、地面の上に何も出ていないとつい、忘れがちになってしまうことがありますのでそこに球根が植わっていることがわかるように名札を挿しておくなどしておいた方がよいかもしれません。
花後の管理
花が咲き終わった球根は葉を茂らせ、光合成を行って栄養を蓄え、新しい球根をつくって葉が枯れて休眠します。葉を切ってしまうと球根が十分に栄養を蓄えられずに太りません。役目を終えて茶色く枯れた葉は軽く引っ張るだけですぽっと引っこ抜けますので、その状態になるまで切ってはいけません。
日当たり・置き場所
日当たりが悪いと花付きが悪くなります。できるだけ日当たりのよい環境で育てます。
冬の寒さにあって、その後日射しが暖かくなる頃に花を咲かせる性質があります(ある一定の低温にあわないと花芽を付けないのです)。ですから、室内で栽培したい場合も12月いっぱいまでは戸外で育てて低温にあわせてから取り込みます。寒さには非常に強く特に防寒を行う必要はありませんが不安なら鉢植えのものは霜よけに屋根のある場所に移動させます。寒冷地では鉢ごと雪の中に埋めて冬越しさせてもかまいません。
高温多湿が苦手
逆に高温多湿をいやがる植物です。もっとも苦手な夏は、幸いにも休眠しているので掘り上げて保管したり鉢ごと雨と日の当たらない涼しい場所で保管するなどの方法で越せますが、地植えで放置しているもので水はけの悪い土に植えている場合、夏場に球根が腐ることがあるので気をつけましょう。ちなみに落葉樹の株元のような環境を好み(冬は木に葉がないのでよく日が当たる、春から秋は木の葉が茂り日陰になるので)、そのような場所で水はけがよければ球根は3~4年植えっぱなしでもよく育ちます。
水やりと肥料
水やり
水はやりすぎると球根が腐ってしまうおそれがあるので、土の表面が湿っている内は水を与えません。水栽培の場合は週1回水を入れ替えましょう。花びらは軟らかく傷みやすいので、開花中は花に水を勢いよくかけたりしないように気をつけましょう。葉が枯れて休眠に入ったものは秋まで水を与えません。この時期に水をやると球根が腐る場合があります。
肥料
肥料は球根を植え付けるとき、あらかじめ土の中にゆっくりと効くタイプの粒状肥料を混ぜ込んでおきます(元肥)。花が咲くまではとりあえず肥料はそれ以上必要ありません。逆に多いと軟弱になり病気にかかりやすくなるので注意が必要です。市販の球根ならたいがい内部の栄養だけで花を咲かせます。
花が咲き終わった後から葉が枯れて休眠するまでの間、1~2回液体肥料を与えます。花後の肥料は成長を促して新しくできる球根を太らせるために大切なもので、カリ分を多く含んだものを与えます。
適した土
水はけのよい土 例:赤玉土7 腐葉土もしくはピートモス2 川砂1 もしくは市販の「球根の土」などを利用します。地植えは日当たりがよくて、できるだけ水はけのよい場所を選びましょう。
植え替え・植え付け
球根の植え付けは9月下旬~10月が適期です。クロッカスは深植えが基本で庭に植え付ける場合は深さ10cm程度、球根2~3個分の間隔をあけて植え付けてきます。鉢植えの場合は根の伸びるスペースが限られるのであまり深植えできませんが深さ1cm以上で、球根1個分ほどの間隔をあけてます。
花後にできた新しい球根が地表に出てしまっていたら球根が隠れる程度に土をかぶせてあげます。
深植えする理由
クロッカスは古い球根(植え付けたときの球根)の上に乗っかるような形で新しい球根がいくつかできてふえていきます。ですからあまり浅く植えすぎると新しい球根が地面の上に出てきてしまいます。球根は地中でこそよく太りますが地面の上にさらされてしまうと十分に育ちません。ですからできるだけ深く植え付けるのです。また、地植えのものは霜柱で球根が持ち上げられることもありますので、そういう点でも深植えは有効です。
ふやし方
古い球根の上に新しい球根ができてふえていきます。地植えでよく環境があって植えっぱなしで毎年花を咲かせますが、4年~5年経過すると球根がふえすぎて窮屈になり、生育・花付きが悪くなりますので一旦掘り上げて球根をバラして、秋に植え直します。 球根はできるだけ大きく太ったものを残すようにし、極端に小さなものは除きます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。