- 科名
- カンナ科
- 学名
- Canna
- 別名
- ハナカンナ
- 原産地
- 熱帯アメリカ
- 大きさ
- 40cm~2m
- 開花期
- 7月~10月
- 難易度
- ★☆☆☆☆(やさしい)
こんな植物です
熱帯アメリカを中心に9種~50種が分布する毎年花を咲かせる多年草で、地下に根茎(球根)をつくります。園芸では春に球根を植え付けて夏~秋に花を楽しむ「春植え球根」として扱います。根茎の形は土しょうがに似ています。
日本には江戸時代前期にカンナ・インディカ(和名:ダンドク)が渡来し、現在では河原などで半野生化しているものが見られます。カンナはギリシア語で「アシ(葦)」を意味し、その草姿がアシに似ているところに由来します。
現在観賞用に育てられているのは、上記のインディカをはじめとして、色々な野生種を掛け合わせてつくられた通称「ハナカンナ」と呼ばれる園芸品種のグループで、1000種以上が知られています。「フレンチカンナ」「イタリアンカンナ」などの系統がありますが、現在では交配が多岐にわたり、そのような区別をすることはないです。
カンナ科はショウガ科やバショウ科などとともに、ショウガ目に分類されています。カンナ科はショウガ目の中でも形態などが独特で、最も特殊化した科のひとつだとされています。「科」は様々な「属」で構成されていることが多いのですが、カンナ科はカンナ属1つで構成されています(1属で構成される「科」を「単型科」といいます)
姿・形
草丈が1m-2mになる大型種と40cm-50cm程度におさまる矮性種(わいせいしゅ)に大きく分けられます。冬は地中の根茎の状態で越し、春に芽を出して葉を広げます。葉は長だ円形や先のとがったやや細長いかたちで、色は緑や赤銅色、葉脈に沿って美しい斑の入るものもあり、花のない時期も充分楽しめます。
花どきは主に夏-秋、花の形態はやや特異で6本ある雄しべが1本を残してすべて花びらになり(中には退化するものもある。いずれにしても残った1本のみが花粉を出して本来の雄しべの機能を果たす)、雌しべはへら状になります。花色は緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白などがあり、葉に斑点や模様のはいるものも多く非常にカラフルです。
花後にできるタネは黒に近い褐色、球形で非常に堅いです。その堅さを活かしてマラカスやおもちゃの「がらがら」の中身にされます。長期の貯蔵に耐え、550年間発芽能力を失わなかった例も知られています。しかし極端に堅くしすぎたのか、他に理由があるのか発芽率はけっこう低めです。タネが散弾銃の弾のようなので、カリブ地域ではインディアン・ショット(Indian-shot)とも呼ばれます。
種類
〔〕内は学名、C.はCannaの略
インディカ(ダンドク)〔C.indica〕
熱帯アメリカ原産で、コロンブスのアメリカ大陸発見とともに、16世紀ヨーロッパにもたらされた種です。基本の花色は赤、もしくはオレンジ色です。現在栽培される園芸品種の大元となったとされています。
エデュリス(ショクヨウカンナ)〔C.edulis〕
根茎からデンプンが採れ食用になります。
関連する植物
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ジンジャー
ショウガ科 難易度★★☆☆☆
主に花を楽しむのが目的で、花壇などに植えられます。和名ではシュクシャ(縮砂)と言います