白い小花が穂状に咲く
フォリドタ(ポリドータ)
フォリドータ・キネンシス |
科名:ラン科学名:Pholidota原産地:主に熱帯アジア草丈:15cm-25cm主な開花期:3月-5月難易度 (ふつう) |
フォリドータ(ポリドータ)とは
熱帯アジアを中心に、中国からオーストラリアまでおよそ30種が分布しているランの仲間です。木の上や岩肌に根を張り付かせて生活する着生種です。
株元はタマゴ型に肥大して(この部分をバルブと言います)、その頂点に長楕円形の葉っぱを1~2枚付けます。毎年バルブを出し、年々株が大きくなっていきます。
主な開花期は春です。秋から冬になると、今年育ったバルブの付け根から新芽を出し、その中から花芽を伸ばします。花芽の生長が優先で、花が咲き終わるまで、新芽はあまり生長しません。花後の初夏以降に葉を広げて生長をはじめ、秋頃にバルブが肥大します。
花は白から淡い黄色で小さく、下垂する花茎にたくさん付きます。種や株の大きさで咲く花の数は差がありますが、少ないもので1本の花茎に10輪ほど、多いものは100輪を超します。往々にして山野草に近い、素朴で野趣のある雰囲気があります。
フォリドタの名前は「鱗片状の」という意味のギリシア語です。これは、花の後ろに鱗片状の小さな苞葉が付くところに由来します。セロジネの近縁で、性質も近いです。
種類
キネンシス(シネンシス)〔Pholidota chinensis〕
フォリドタの中でも比較的普及している種です。花茎は5cm~30cmで10輪~30輪の花を咲かせます。花色は白で、後ろに付く苞葉がごく淡い赤茶色になります。花付きが良く、ある程度の低温にも耐え、暑さにも強く、扱いやすいです。
イムブリカタ〔Pholidota imbricata〕
花茎が長く伸び、くすんだ白色の花を多数付けます。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
植え替え |
肥料 |
日当たり・置き場所
耐寒性はおよそ8℃です。冬は室内の明るい場所に取り込みます。春から夏は、風通しの良い屋外の明るい日陰に置くか、吊します。直射日光は葉が焼けて傷むので避けます。遮光する場合は春・秋30%、夏50~60%を目安にしてください。
水やり・肥料
水が好きなランです。春に葉を広げて生長を始めたらたっぷり与えます。基本的には水ゴケや植え込み材料の表面が乾いたら水やりをします。冬は乾かし気味がよく、完全に乾いてから少量与える程度でじゅうぶんです。キネンシスのような強健種は、生長期に周りの湿度を高めに保つと、鉢外にどんどん根を伸ばします
。
肥料はたくさん要りませんが、全くないとバルブが小さくなり花つきも少なくなります。春にゆっくり長期間効く(だいたい本年の秋まで)肥料を株元に少々施します。液体肥料を使う場合、ごく薄いものを20日に1回を目安にして、春~秋まで続けます。
植え替え
バルブが増えて鉢外にはみ出してきたら、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けします。適期は5月~6月で、水ゴケやバークチップを用います。鉢は素焼きでもプラ鉢でもかまいませんが、水はけを良くすることが大切です。
その他
花が枯れた花茎は見苦しかったら適宜切り落とします。花が終わったあと筒状に丸まっている葉が広がって新しいバルブになるので、芽を付け根から切り落としてはいけません。
ポイント
・生長期は水とたっぷり与える
・冬越しはおよそ8℃
・冬以外は遮光します