ヘデラとヤツデの交雑種、日陰に強い
ファッツヘデラ(ファトスヘデラ)
科名:ウコギ科学名:×Fatshedera lizzei別名:ファトスヘデラ ハトス原産地:交雑種草丈:1.5m-2m(半つる性)開花期:11月難易度 (やさしい) |
ファッツヘデラ(ファトスヘデラ)とは
常緑の半つる性低木で、ヤツデとヘデラを掛け合わせて作られた交雑種です。1911年フランス生まれで、日本には1957年(昭和32年)に導入されました。名前は、ヤツデ属の学名「ファトシア」とヘデラ属の学名「ヘデラ」を足したものです。
詳しく言うと、ヤツデの園芸品種‘モセリー’〔Fatsia japonica‘Moseri’〕とヘデラの品種‘ヒベルニカ’〔Hedera helix‘Hidernica’(= H. helix var. hidernica)〕が両親となっています。属の異なるもの同士の交配はあまりないので、ユニークな組み合わせです。
観葉植物として鉢植えで楽しむほか、ある程度耐寒性と耐陰性もあるので、日当たりの悪い場所に地植えで育てることもできます。
姿・形
総じて言うと、両親(ヤツデとヘデラ)を足して2で割ったよう性質や姿です。 葉っぱは濃緑色で幅15cm前後、表面はツヤツヤしており、掌状に3・5・7つに裂けます。葉の裂ける深さはヤツデより浅いです。若葉は表面に茶褐色の毛が生えています。11月頃になると黄緑色の小さな花がたくさん、球状にかたまって咲きます。花は咲いても基本的にタネはできません。
枝も、ヤツデとヘデラの中間のような伸び方をします。まっすぐ上に伸びたり、斜めにかしいだり、横に伸びたり、直立と横ばいを繰り返したりと、迷走します。その割に、生長しても比較的まとまりのある姿に収まります。
その他の品種
日本では、園芸品種のバリエガタ(フイリファトスヘデラ)がより早く、アメリカより導入されています。バリエガタは葉に淡いクリーム色の縁取りが不規則に入ります。基本種に比べるとやや小型です。最近ではこちらの品種の方がよく出回っています。株が小さいときの生長はやや緩慢です。
育て方
栽培カレンダー1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
植え替え |
肥料 |
日当たり・置き場所
日当たり~半日陰が適しています。耐陰性が強いので日陰でもよく育ちます。真夏の強い日射しに当てると、葉が焼けて傷むことがあるので気をつけます。
寒さには強く、霜に気をつければ屋外でも冬越しできます。暖地や関西や関東の平地では露地植えも可能です。越冬温度の目安は0℃~3℃です。
水やり・肥料
土が乾いたらたっぷりと与えます。冬は生長が鈍るので回数を減らして乾かし気味でかまいません。
肥料はあまり要りませんが、少しあると葉の色つやがよくなり、元気に育ちます。気温が20℃ほどあればよく生長するので、5月~10月の間、2ヶ月に1回固形肥料を少量株元に与えます。
かかりやすい病気・害虫
夏に空気が乾燥すると、ハダニが発生しやすいです。水やりのとき、葉っぱにも水をかけるようにします。室内栽培のものも、ときどきベランダなどに出して、ホコリ落としも兼ねて水をかけてあげるとよいでしょう。
植え付け・用土
水はけのよい土であれば特に選ばずに育ちます。市販の観葉植物培養土でよいです。
植え付けの適期は5月~9月です。
ふやし方
さし木で増やすことができます。20℃前後の気温があればいつでも可能です。枝を2節くらいの長さに切って、バーミキュライトや赤玉土に挿し、乾かさないように管理します。成功率は比較的よいです。
その他
日陰の植栽にも適した植物です。特に斑入りのバリエガタは薄暗い場所を明るく見せてくれます。ただし、じめじめして水が停滞するような場所ではよく育たないので注意しましょう。水はけのよい環境を好みます。
鉢植えで枝をまっすぐ伸ばしたい場合は、支柱を立てた方がよいでしょう。
ポイント
・日陰でもよく育つ
・夏に乾燥するとき、ハダニに注意