分類上はこちらがホントのアマリリス
ベラドンナ・リリー
科名:ヒガンバナ科学名:Amaryllis belladonna別名:ホンアマリリス原産地:南アフリカ草丈:50cm-70cm主な開花期:8月~9月
難易度 (そだてやすい) |
ベラドンナ・リリーとは
南アフリカ・喜望峰に分布するヒガンバナ科アマリリス属の球根植物です。リリーとつきますが、ユリの仲間ではありません。また、薬草として一部で知られるベラドンナはナス科の植物で、こちらも関係ありません。見た目も全然違います。
正式な名前(学名)はアマリリス・ベラドンナですが、園芸で一般に親しまれているアマリリスとは別の植物です(ホントのアマリリス?を参照に)。ベラドンナとはイタリア語で「美しい淑女」と言う意味です。日本には明治の末に入ってきました。
球根は直径5cm~10cmで、上部が少し伸びた球形です。葉っぱが肥大して球根状になった鱗茎(りんけい)とよばれるタイプで、表面は乾いた皮で包まれています。わかりやすく言うとタマネギとかニンニクと同じタイプの球根です。
開花期は真夏から初秋で、球根から花茎をにゅっと伸ばしてその先端に10輪前後の花を咲かせます。花茎は高さ50cm~70cmになります。花は筒状で先端が大きく開き、ユリに似ています。色は淡いピンクや白、紅色があります。
冬頃に球根から帯状の葉っぱが左右交互に出てきます。葉っぱはツヤのある濃緑色で長さは50cmほどになり、初夏頃まで育ってその後黄色く枯れます。葉が枯れ落ちた後に花茎がでてくるので、開花期は葉っぱがありません。
ホントのアマリリス?
かつてアマリリス属にはたくさんの仲間がいましたが、ベラドンナ・リリー以外の仲間は他の属に引っ越してしまいました。現在のアマリリス属はベラドンナ・リリーと、1998年に新種として発表されたパラディシコラ種〔A. paradisicola〕の2種からなります。
園芸で一般的に「アマリリス」と呼ばれている植物も、かつてはアマリリス属に分類されていましたが、分類の細分化に伴いヒッペアストルム属に引っ越ししてしまいました。しかし、引っ越し後も園芸では、旧属名のアマリリスの名で親しまれています。
両方が「アマリリス」ではややこしいので、アマリリス属に残ったほうを、園芸では「ベラドンナ・リリー」と呼ぶのが一般的になりました。「ホン(本)アマリリス」「シンセイ(真正)アマリリス」などの別名がありますが、あまり聞きません。
寒さには比較的強く、凍らせなければ外で冬越しできます。球根の植え付け時期は6月の終わりから7月頃です。地植えは深さ10cm、鉢植えは球根の肩あたりまで露出する程度の浅植えにします。球根はおおむね大型なので、6号~7号の鉢に1球を目安とします。
地植えは3~4年程度植えっぱなしでかまいません。球根が自然に分かれて葉をよく茂らせるようになり、花茎もたくさん上がってくるようになります。子球が十分大きくなったら植え替えと同時に親球から外しますが、乱暴に扱って傷めないように気をつけます。
水はけがよくある程度肥えた土なら、肥料がなくても球根は衰えずによく育ちます。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
球根植え付け |
日当たり・置き場所 ポイント
秋から春の葉っぱが出ている時期はよく日の当たる場所で育てます。寒さには比較的強く、凍らせなければ外で冬越しできます。
植え付け
球根の植え付け時期は6月末から7月です。地植えは深さ10cm、鉢植えは球根が肩あたりまで露出する程度の浅植えにします。球根はおおむね大型なので、6号~7号(直径18cm~21cm)の鉢に1球を目安とします。
一度植え付けたら、3~4年程度植えっぱなしでかまいません。球根が自然に分かれて葉をよく茂らせるようになり、花茎もたくさん上がってくるようになります。球根が増えて手狭になってきたら植え替えます。
ふやし方
子球が十分大きくなったら植え替えと同時に親球から外します。子球が外れにくい場合は無理をせずに付けたままにしておきます。無理矢理ひっぺがえそうとすると球根が傷みます。また、花後にできたタネから増やすこともできます。
水やり・肥料
水はけがよくある程度肥えた土なら、肥料がなくても球根は衰えずに毎年よく育ちます。 鉢植えは葉の出ている時期に、薄めの液体肥料をときどき与えるとよいでしょう。
手入れ
タネを採る目的がないなら、花が枯れたあとの花茎は付け根から切り取ります。
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