野趣のある清楚なキク
ハマギク
科名:キク科学名:Chrysanthemum nipponicum原産地:日本草丈:10cm-90cm開花期:9月-11月難易度 (そだてやすい) |
ハマギクとは
いわゆる野菊の一種で、青森県から茨城県にかけての太平洋側の海岸に自生します。「花壇綱目」(江戸時代初期に発行された日本最古の園芸書)の中に、「浜菊」の名で掲載されており、その頃から栽培されていたとされています。
自生地では高さ10cm〜30cmほどで締まった草姿ですが、庭などで栽培すると1m近くになることもあります。茎はよく枝分かれして株が広がり、こんもりと茂ります。秋になると、径6cm前後のマーガレットやノースポールに似た白い花が咲き、初冬まで咲き続けます。冬は茎葉がほとんど枯れて、春になると茎の基部あたりから芽を吹きます。数年経過すると茎は樹皮のようにざらざらとした質感になります。葉っぱはやや肉厚でへら型、表面には光沢があり、放射状に茂ります。 あまり手間のかからない強健な植物で、庭植えや鉢植えで楽しめます。野趣と清楚さを持った、野菊らしい野菊と言えるでしょう。
別種ですがハマギクを小さくしたようなコハマギク〔Chrysanthemum arcticum〕も同様に利用されます。
育て方
栽培カレンダー1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
植え付け |
手入れ
切り戻し
冬前には株元の葉っぱがほとんどなくなって、茎が思い切り露出していることも多いです。株姿を整えるために、秋に花が咲き終わったら全体を半分くらいに刈りこんですっきりさせ、翌年に備えます。
新しい芽は春に茎の基部当たりから出てきます。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しのよい場所が適しています。耐寒性は強く、凍らせなければ露地で越冬できます。不安な場合は、株元に落ち葉や腐葉土を軽く敷いておけばよいでしょう。
水やり・肥料
地植えは特に水やりはいりません。鉢植えは土の表面が変わったらたっぷりと水を与えます。冬は回数を減らして乾かし気味に管理します。
肥料はさほど施さなくてもよく育ちます。地植えは基本的に必要なく、鉢植えは生育中に様子を見ながら液体肥料を与えます。
かかりやすい病気・害虫
とくにありません。
植え付け・用土
水はけがよければ土質は特に選ばずによく育ちます。
ふやし方
さし芽で増やします。適期は6月頃で、元気に生長している若い茎を切り取って土に挿します。木質化した茎(表面が樹皮のように茶色くざらざらした茎)は挿し芽に適しません。
根が出て生長を始めたものは、先端の芽先を摘みます。そうすることで下から数本の茎が伸びてきて枝数が増え、ボリュームのある草姿になります。
ポイント
花後に茎を半分くらいに刈りこみます
水はけのよい土に植えます
さし芽で増やす
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