パパイアの育て方
パパイア科 学名:Carica papaya 用途 鉢植え 露地植え メキシコ南部やコスタリカあたりが原産といわれている常緑性の高木で日本には19世紀ごろに入ってきました。鉢植えのものは2.5mまででおさまることが多いですが、地植えのものは7-8mの高さになります |
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開花期 |
収穫期 |
植え付け |
肥料 |
品種の選び方 ポイント
在来種は雄花のみ咲かせる雄株、雌花のみ咲かせる雌株、両方を咲かせる両生株の3種が発生します。在来種とは別に、両性花を咲かせる、もしくは雄花と雌花をひとつの株に咲かせる完全両性株のみの「ソロ種」があります。木が若いうちは成長する方に力が注がれ、花芽を付けません。在来種は木が大きくなり80cmを越すくらいになると花芽を付けるようになります。また、完全両性株のソロ種は1m以上に生長しないと花芽が付きにくい傾向があります。
雄花と雌花はつぼみの状態で容易に見分けることができます。雄花は花茎が長くその先端がふくらんだマッチ棒のような形をしており、雌花は紡錘形にふくらみます。両性花は雌花に近いかたちをしています。
季節・日常の手入れ
果実は多くが小さい内に自然に落ちます。これは余計な水分や養分をとられないための生理現象で生理落果といいます。それでも多く付いているような場合は適宜果実を摘み取り、成らせる数を調整します。幹をまっすぐ上に伸ばし、ほぼ枝分かれしないので剪定の必要はありません。
日当たり・置き場所
高温、直射日光の環境下でよく育ち、生育適温は25℃~30℃です。16℃以下で生長が止まり13℃以下で休眠に入ります。地植えするなら年間平均気温15℃~16℃以上の場所が適切で、日本国内では沖縄をのぞいて地植えはほぼ無理といってよいでしょう。基本は鉢植えでの栽培となります。
寒さに弱い
寒さに弱く、短期間なら5℃程度の低温にも耐えますが、それも枯死しないと言うだけでダメージは受けると思います。理想としては冬期でも13℃以上は保ちたいです。
冬に葉先から枯れ込んでくるのは乾燥と低温が原因のケースが多いです。冬越しが栽培上の大きなポイントとなります。
暑さには強いですが、35℃を超すような極端な高温下では花が機嫌を損ねて実付きが悪くなることがあります。また、両性株では高温下では雄花が多く咲くとも言われています。
鉢植えの注意点
一年を通して直射日光の当たる場所が適しています。特に、生育期の日照は果実のでき(質)を大きく左右するので戸外でたっぷりと日に当てるようにします。前述のように寒さに弱いので冬は日当たりの良い室内に取り込みます。年々樹高を伸ばし、最終的には10号-12号(直径30cm-36cm)の鉢が必要となるのでそれなりに場所をとります。
水やり・肥料
土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。過湿にすると根腐れを起こして株が枯れ、極端に乾燥させると花付きや実付きが悪くなるので適湿をこころがけます。
葉を広げて幹を伸ばして育っていく「生長」と花を咲かせて実を付ける「結実」が同時に行われており、常に消耗しています。肥料不足になると株が軟弱になり、実付きも悪くなります。春~秋にかけて2ヶ月に1回、固形の肥料を与えます。
用土
水はけのよい土が適しています。赤玉土(小粒)5:川砂3:ピートモス2の割合で混ぜた土を用います。
植え替え・植え付け
植え付け、植え替えの適期は4月-6月が適期です。秋の9月-10月も可能ですが、充分根が張る前に寒さが来て株が傷んでしまうこともありますので霜の心配のない暖かい地域以外では避けます。
鉢植えにしていると、2-3年で鉢の中一杯に根が張って根詰まりを起こしていまいますので、一回り大きな鉢に植え替えます。
ふやし方
タネからふやすことができます。
タネは果実から取り出してよく水洗いしゼリー状のぬるぬるをきれいに取り除きて数日陰干しします。ゼリー状のぬるぬるは「仮種皮」といい発芽を抑制する成分が含まれています。用土を入れた鉢にタネをまき、乾かないよう1cmほど土をかけます。
発芽適温は25℃前後と高温なのでタネまきは6月~8月が適しています。通常2週間程度で発芽します。本葉が出てきたらビニールポットに1本ずつ移植します。高温期は非常に生育がおう盛で、鉢底から根が伸びてて来るようでしたら一回り大きな鉢に移し替えます。いきなり大きな鉢に植え付けるのではなく、根がしっかり張ったら一回り大きい鉢に移し替える、という作業を繰り替えして根群をしっかりと作ってきます。
収穫・利用
開花後4ヶ月~半年で果実が黄色くなったら収穫します。収穫後は完熟するまで15℃以上の室内で追熟させます。低温下だと収穫後に追熟しないので気をつけましょう。
熟した果実はトロピカルフルーツ特有の香りがしますが、気になる場合はレモン汁などをしぼって食べることが多いです。
鉢植えの場合、株の寿命は短く2-3年収穫したらその後は弱って枯れてしまうことが多いです(本来の寿命は25年ほどとされています)。タネをまいて苗を作っておくと良いでしょう。
かかりやすい病害虫
高温乾燥時期にハダニが発生します。葉裏に付き吸汁して植物を弱らせるので見つけ次第薬剤を散布して駆除します。
また、アブラムシはウイルス性のモザイク病を媒介するので早めの駆除が大切です。
まとめ
冬越しはできれば13℃以上
生育期は肥料切れさせない
肥料は窒素分を控えめに
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