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ハエトリソウの育て方

ハエトリソウモウセンゴケ科 学名:Dionaea muscipula  用途 鉢植え
難易度 バー バー バー バー バー(そだてやすい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(ふつう:凍結に注意)

北アメリカのノース・カロライナ、サウス・カロライナを故郷とする食虫植物です。地面を踏むとじゅわっと水がしみ出てくるような浅めの湿地に自生します

栽培カレンダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
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植え替え
バー バー                    
肥料
      バー バー バー   バー バー    

季節・日常の手入れ ポイント
葉の感覚毛に触れるとあっという間に閉じ、数日経過するとまた開く動きが面白いですが、葉は開閉することにより多大なエネルギーを消耗します。1対の葉は2~3回の開閉運動が限度でその後枯れてしまいます。故意に刺激を与えて開閉運動を繰り返させることで葉が早く枯れてしまいますので、あまりいじりすぎない方がいいでしょう。最悪の場合、株が消耗して枯れてしまいます。

日当たり・置き場所
4~9月の生育期は屋外の半日陰の場所で育てましょう。高温に弱いので、特に真夏の直射日光には注意が必要です。乾いた風も嫌うので風当たりが強い場所はできるだけ避けます。室内で育てる場合は窓越しに日の当たる場所などが適しています。

冬は中途半端に暖かいとよくない

秋頃から新しい葉を出さなくなり、通常冬は休眠します。ただ、気をつけたいのは冬越しの温度です。中途半端に暖かい場所ではまどろんだような状態で完全に休眠せず、中途半端にエネルギーを消耗し、春の生育スタートダッシュが鈍ります。ビニールなどで囲ったフレームは日中の日射しがたっぷり入ると、冬でもかなり暖かくなるので注意が必要です。

ある程度の寒さのある場所では休眠して生育期にため込んだエネルギーを消耗せずキープし、春のスタートダッシュで勢いのある芽が出ます。凍らせなければ株自体が枯れることはありませんが、無難なところで5℃程度を目安にしましょう。

水やり・肥料
浅い湿地に自生する植物で、水切れを極端に嫌います。通常草花にやるような水やりではすぐに水切れを起こしてしまいます。

基本的な水やりと注意点

腰水そこで、受け皿を敷いて1~2cmの水を張り、鉢底から水を吸収させてるようにします。これを腰水といい、基本的な水やり方法になります。これなら湿った状態をキープできます。受け皿の水が減ったら、その分足します。

真夏は水が傷みやすいので2~3日に1回取り替えた方がよいでしょう。また、強光線が当たると暑い場所では受け皿の水が湯になって、植物が茹で枯れるので、置き場所にはくれぐれも注意です。

冬は休眠に入り生育期に比べると用土は乾きにくいですが、湿度が低くて空気が乾きやすいので注意しましょう。空気の乾燥も苦手です。

その他の水やり

自生地が浅い湿地というのがポイントのひとつで、水と同時に空気も好きです。ときどき底から流れ出るくらい、上からたっぷり水をやりましょう。そうすることで鉢中の老廃物が流れて、同時に新鮮な空気も入ってきます。あまり葉っぱに水がドバドバかからないよう、株元からそっと与えます。腰水で水を張る深さを浅くするのも、鉢内にしっかり酸素を入れるためです。

肥料のやり方

春から秋の生育期間中、月1回の割合で2000倍~3000倍に薄めたごく薄い液体肥料を与えます。根が弱く肥料の濃度が濃いとすぐに傷んでしまいます。夏の高温期は生育が弱ることがありますので、肥料は与えません。栄養は根から十分に吸収できるので、わざと虫を与える必要はありません。チーズや卵の白身を欠片くらいの量、虫代わりに与えることもありますが、消化不良を起こすと葉っぱが黒ずんで腐ってしまうので、むやみに与えない方がよいでしょう。

用土
通気性と水保ちを考え、水ごけを使うのが一般的です。

植え替え・植え付け
常に湿らせた状態で栽培するので、用土の水ごけが傷みやすいです。傷んで腐ってしまった水ごけは生育上よくないので、1~2年に1回植え替えます。植え替えの適期は休眠期の冬、2月頃です。

鉢から抜いた株は水ごけを丁寧に取り除きます。根の間に入ったものもピンセットなどを使い丁寧に取り除きましょう。湿らせた新しい水ごけでやさしく根を包んで鉢に植えます。ハエトリソウの根は繊細ですぐ折れてしまう(もろい)ので、丁寧に作業しましょう。

休眠期に植え替えるのは、この時期なら植え替えで多少根が傷んでも株全体に与えるダメージが少ないからです。春に暖かくなったら新たな根がでて回復します。

ふやし方
タネから育てることができます。花が咲いた後にできるタネを採取しますが、熟したタネは自然にばらまかれてしまうので、早めに採取します。また、タネは保存がきかないので(発芽力が早く失われる)取ってすぐにまきます。

もしくは、植え替え次に株分けでふやすこともできます。小さな球根があるので、それを確認して葉っぱ3枚くらいで1株になるように手で分けて植え付けます。

かかりやすい病害虫
特にありません。

まとめ 
湿度の高い環境を好むので、水切れに注意
冬は凍らせない程度の場所で休眠させる
おもしろいからと言って葉っぱをむやみに閉じさせない

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